當麻寺練供養(聖衆来迎練供養会式)と恵信僧都(源信)

2017年5月14日撮影

今回のテーマは「地獄と極楽」について書き留めておこうと思います。
地獄の反対語は「極楽」・・・ではありません。地獄の反対語は「天上界」です。

なぜならば、仏教では、六道(地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界)の六つの世界があり、人間界の一つ上が「天上界」であり。一番下が「地獄界」と言われています。
では、極楽はどこにあるのかと言うと、この六道とは「別の世界」にあり、極楽はどんな世界化と言うと「阿弥陀様がおられる世界」となります。(正確には西方極楽浄土=阿弥陀如来、東方浄瑠璃世界=薬師如来などもある)

源信は現香芝市の阿日寺に生まれ、比叡山で修行し、良く出来た僧として今で言うとエリートコースを歩みますが、母の諌めにより名声を捨てて比叡山の横川に身をおき、「往生要集」を執筆します。
現在、源信はあまり有名な僧侶ではありませんが、源信がいなければ今の浄土宗も、浄土真宗も、親鸞も法然も無かったと言っても過言ではない日本仏教の恩師だと思います。

往生要集とは、(かなり大雑把ですが)天から地獄がある六道世界から抜け出して、阿弥陀如来の世界、西方極楽浄土に行く方法が書いてある書物です。

これが當麻寺で行われる「當麻寺練供養(聖衆来迎練供養会式)」で、往生要集を視覚化したものと言われています。
ここ當麻寺は中将姫のお寺なので、中将姫が現世から極楽浄土に旅立つとなりますが、本来はすべての民衆が救われるというお話でもあります。(このあたりの解釈は少々異説諸説がたくさんあります)

ご存知のとおり中将姫は継母の仕打ちを悲しみ、この現世においても地獄のような苦しみであったのでしょう。
だからこの現世から抜け出し、地獄のある六道から別世界である「極楽浄土」への旅は、とても幸せに満ち溢れた旅なのでしょう。

香芝市の阿日寺
阿弥陀如来の「阿」と、大日如来の「日」をとって、阿日寺と言います。

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本堂内の安置された本尊阿弥陀如来と恵信僧都・源信像(特別撮影許可済)

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當麻寺練供養会式から
観音菩薩が蓮台を掲げて中将姫を救いに行くシーン。蓮台には誰も乗っていない。

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娑婆堂で中将姫を蓮台に乗せて、西方極楽浄土である本堂(極楽堂)に向かって進む。

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観音菩薩につづく二十五菩薩も西方からの光に包まれていました。

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*資料画像
當麻寺護念院では法要に先だって護念院の本堂で法話があり、二十五菩薩面を着けさせていだだくことも出来ます。
画像は菩薩面の前に安置されていた中将姫様と菩薩面を着ける参拝者

練り

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三宅町石見の農神さん(野神さん)

2015年5月5日撮影

農神さん(野神さん)
祭の前日に氏神にて十五歳の男子が中心となって藁・杉葉で三メートルに及ぶ蛇を作る。
翌朝早くに蛇を「野神の塚」へ運び、小豆餅、神酒、山海の幸を供えて古老の祈祷をうける。
豊作を祈願し、供え物を食べる楽しい仲間入りの行事である。
(三宅町教育委員会)・・・野神塚前の案内版から全文引用

大和の5月から6月にかけて行われる民俗行事として知られる「ノガミさん」
米藁や麦藁、草木で作られた蛇(ジャ)と呼ばれるものを集落を回りながら塚まで運び奉納(安置)すると言う行事です。

県内では御所の野口神社で行われる「汁かけ祭」や、田原本の鍵・今里で行われるものが良く知られていますが、三宅町にもその行事が伝承されていました。
ただし、少子化の影響により、前述した案内版のように子供は参加されておらず、地区役員さんらだけでが行われていました。

ここの蛇は体長3メートルくらいで、中心の木に杉の葉を巻き付け、頭部の口にあたる部分に赤い布を付けてあります。

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塚は新興住宅の一角にあり、現在は旧村と新興の間にあるように見えますが、昔は村のはずれだったのでしょうね。

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村の役員さん曰く、「昨年・今年はちょうど具合の良い子供が居なかったが、子供が居たらちゃんと元通りにやりたい」「だから子供が居なくても、続けているんや」との事。
いつの日か、子供が居てこの行事が引き継がれることが出来るといいですね。

久米寺 二十五菩薩練供養

2015年5月3日撮影

春の農繁期前の祭典。通称、『久米レンゾ』(久米会式)と呼ばれる会式が、近在の老若男女を多数集めて開かれます。(奈良盆地の農村地域では、春の一日を農休みの日と決め、村で楽しむ風習があり、これを「レンゾ」と呼んでいました。)
久米会式が近づくと本堂から護国道場まで約100mの掛け橋が架けられます。これは、現世(娑婆)と浄土をつなぐ来迎橋を示し、この橋を二十五菩薩が渡っていきます。これは、西方極楽から阿弥陀仏が二十五菩薩を従えて迎えにくることを示しています。
当日は、大般若経の典読があり、檀信徒・仙人講・詠歌隊・僧侶、住職、稚児行列が行われ、続いて薬師如来像を先頭に二十五菩薩が介添え人に導かれて長い橋を練り渡り、金堂に赴きます。「橿原市のホームページより引用」

僧侶が放つ散華を求める参詣者ら

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来迎橋を渡る二十五菩薩で先頭は観世音菩薩

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許可を得て本堂から撮影させていただきました。

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参加された稚児さんらが加持を受けられます。

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最後は来迎橋から御供撒き(餅まき)が行われました。

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おまけ写真です。赤い傘がとても印象的でした。

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當麻寺 練供養

2014年5月14日撮影

5月14日は中将姫の命日として葛城市の當麻寺で練供養が行われました。
正式には「聖衆来迎練供養会式」といい、中将姫を極楽浄土に導かれる様子を再現したものと言われています。

中将姫は、奈良時代の右大臣藤原豊成公の娘で、幼くして母を失い、継母に育てられました。
しかし、継母から嫌われ、ついにはひばり山に捨てられてしまいます。
その後、姫の願いにより当麻寺に入り、称讃浄土経の一千巻の写経を達成し、十七歳で中将法如として仏門に入り曼荼羅決意し、百駄の蓮茎を集めて蓮糸を繰り、これを井戸に浸したところ糸は五色に染まりました。
そしてその蓮糸を、一夜にして一丈五尺(約4m四方)もの蓮糸曼荼羅を織り上げました。
姫が二十九歳の春、雲間から一丈の光明とともに、阿弥陀如来を始めとする二十五菩薩が来迎され、姫は、西方極楽浄土へ向かわれたと伝えられています。(寺内の説明版から一部引用)

行事が始まると輿に乗せられた中将姫が娑婆堂に移されます。
輿には幕があり、移されるこの場面では中将姫を拝することは出来ませんでしたが、塔頭の護念院で行事の始まる前であれば拝することができます。昨年は護念院で拝見させていただきましたが、まるで生きておられるかのような美しさです。

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お稚児さんの行列が続きます。
ご家族の方でもいらっしゃるのかな、笑顔で大きく手を振っていました。

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二十五菩薩が本堂(曼荼羅堂)を出て、来迎橋を中将姫のいる娑婆堂に向かいます。
*今回の撮影場所だと、付き人が菩薩に扮する方の右側を歩かれるので、まったく見えないですね。

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最後は観音菩薩と勢至菩薩、地蔵菩薩が最後に現れます。
金蓮台と呼ばれるものを持つのは観音菩薩。
左右に大きく振りながら、一歩づつ進んで行かれます。

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娑婆堂に到着、左右には二十五菩薩が並んでいます。

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娑婆堂に到着した観音菩薩(左)は金蓮台に中将姫を遷し、勢至菩薩(右)は光り輝くその両手で中将姫を優しく撫でます。

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娑婆堂を極楽に向けて出発
観音菩薩の手には金蓮台に乗せられた中将姫がおられます。
*迎えのシーンの金蓮台と見比べてみてください。

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そして、娑婆堂からまっすぐに伸びる来迎橋を本堂(曼荼羅堂)に向けて進んでいきます。
*夕方のこの時間帯、通常ならば逆光となり光輝く西方浄土に向かいクライマックスですが、本日は少し曇りがちだったので、逆光にはならず、よって通常の撮影としては良かったのかもしれません。

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観音菩薩、勢至菩薩、地蔵菩薩の後には二十五菩薩が続きます。
*これも通常なら逆光で露出が非常にデリケートな場面です。

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【撮影メモ】
平日にもかかわらず大勢のご参詣者がおられました。
今回は脚立もなかったので腕を目いっぱい伸ばしての撮影でした。
よってISO800ぐらいで何とかシャッタースピードを確保したいと考えましたが、やっぱり少々のぶれがありますね。
場面によってはSSが1/60くらいまで落ち込むと、菩薩の動きもなかなか止まってくれません。
天候にもよりますが、次回はもう少し高感度で挑戦します。

御厨子観音 花祭り

2014年5月11日撮影

今年も橿原市にある御厨子観音(妙法寺)の花祭りを拝見しました。
仕事帰りだったのでコンデジでの撮影となりましたが、やっぱり光線が強すぎてなかなか思うような露出がかけられないし、ズームの切り取りも中途半端でしたね。
行事の写真は以前の撮影分をご覧ください。今年分よりちょっとマシですので。(リンクはこちら)

今回はスナップメインです。
お稚児さんはかわいいですね。
奈良ナビの収録だとかで、NHKさんもいらっしゃってました。

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暑くてもみんな元気!

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稚児行列の定番カットながら、ズームが足りない!!!」

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行列のあと境内で法要があり、その後、本堂で大般若経の転読法要となります。

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最後は定番に御供撒きにて終了。

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《撮影メモ》
稚児行列は午後1時からの斎行ですが、12時頃から稚児行列に参加されるお子さんらが着替えをされます。
着替えのシーンはさすがにアップできませんが、着替えた後、行列が始まる少しの間のスナップもいいかもですね。

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