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桜井鹿路(ろくろ)の綱掛祭

桜井鹿路(ろくろ)の綱掛祭 2019年1月6日撮影
奈良県内ではお正月を前後して集落の入口に「綱」を掛ける風習があります。
地域によってその名前が変わりますが、「勧請がけ」というのが一般的に多いように思います。
今回は桜井市から吉野に抜ける途中の集落で「鹿路(ろくろ)」での綱掛祭を拝見しました。

藁で編んだ綱や綱につける飾り物が作られています。
綱は5尺2寸の円形にまいて約8廻りといいますから、大体40メートルになるのでしょうか。
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これは「綱足」と呼ばれる飾りのような感じで、女竹を横に組んで、7組作られます。
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本殿前には不思議なお供え物があり「神餞台」という名前が付けれています。*神饌台かも知れません。
藁で作った丸い輪っかの中心に、それまた藁で作ったろうそくを模したような形になっています。
そしてその輪っかの部分に、「みかん」「ダイダイ」「干し柿」「ひし餅」を竹串に指して飾ります。
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他の勧請がけでも良く目にしますが、いよいよの祭典が始まる前に行われる風習で、長く作った綱で人をぐるぐる巻きにします。
こちらの鹿路ではあまりその意味は伝わっていないようですが、たの地域だと年男であったり、嫁さんをもらったり、子どもを授かったりというオメデタの方を祝福する、または一年の無病息災を祈るというように伝わっているので、こちらでも元々はそうなんだろうと推測します。
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さて行事に戻りますが、宮司さんのお払いがあり、また祝詞奏上があります。写真はありませんがこちらでは天保7年(1836)書写の「天一神結鎮祭文」という祝詞でした。
また弓内も行われます。
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いよいよ綱掛に出発。近年は若い人の参加が少なくなり集落したまで軽トラックで運ばれるのだそうですが、今年はNHKさんが取材にいらしていたので、それなら担いで降ろそうということになりラッキーな記録となりました。
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集落下の「寺川」をまたぐように綱が掛けられます。今はバイパスのようなきれいな道が出来ていて川らしくありませんが、この川を伝って入ってくる悪いもの・邪気をこの縄で堰き止めるという役目です。
貼り終わると集落の方が「千秋楽」という名の手拍子で締めくくります。
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